オープンリール(テープ)の話
- Altair Studio
- 2022年3月16日
- 読了時間: 3分
3ヶ月ほど前にオーバーホールに出したオープンリールが返ってきました。

オーバーホール依頼前はフロアノイズが両chとも非常に多く(特にRch)、仕事で使うにはとても厳しい状況でした。
当初は自分でメンテしようと考えていて、ノイズやハイ落ちの原因になりやすいヘッド研磨、アジマス調整、消磁までは行ったんですが、やはりノイズが思うように改善しなかったので、伝手をたどって専門の方に依頼しました。
(忙しさもや都合もあるでしょうし、必ずしも業者さんが手間のかかるメンテ作業を望んでいるをとは限らないのでこの場には業者さんの詳細の記載はしません。オーバーホールを依頼したいと考えている方はコメントか等スタジオHPのお問い合わせ欄よりご連絡ください。)
修理明細まで発行してくれ、作業の合間にも確認の連絡をしてくれる方で非常に信頼できる親切なお方でした。(作業期間は2ヶ月半〜3ヶ月程度)

主なオーバーホール作業内容は
・DAW→テープ→DAWに戻す、という流れでの使用がメインになりますが、
テープのアウトプットが仕様として逆相になってしまっていたため、正相に戻すため出力側にトランスを入れる
・フロアノイズの改善
・走行速度調整
・ワウフラッターの診断
・レベルメーターの診断
でした。
画像の通りすごく丁寧に診断して頂きました。
明細書に書いてある交換してもらったコンデンサーやトランジスタの数を見て「絶対にやる時間ないや」と反省しました。
本当に業者さんには頭が上がりません。
とはいえこれでようやく仕事でもテープサウンドを導入できることになりました。
プラグインのテープシミュレーターなんてお話にならない、太いサウンドです。
ミックスに通すとどうなるか...ですが、説明が難しいですが、
「深く混ざりすぎてマスキングされていた各楽器が、いったん程よく解かれて、いい塩梅で繋ぎなおされた」
そんな音がします。
市販の曲も含めいろんな楽曲を通しましたが、狭く、詰まって聞こえていたミックスもなぜか広く、
各楽器の間に「演奏が垣間見えるスペース」ができます。それも違和感なく自然にスペースができます。
抽象的な言い方しかできないのが心苦しいですが、音楽的なサウンドになります。
だってミュージシャンの演奏が聞こえるんですから。
レンジが広く聞こえる不思議。ダイナミックレンジなんて現代インターフェースよりはるかに少ないのに。
ご希望の方がいれば楽曲に通しますので、コメントか問い合わせいただければ対応します。
テープの音を知ってもらいたいし、わかる方と音の話したいので気になった方はぜひ。
もちろん鋭利目的で利用するのはNGでお願いします。笑
僕も多額のお金を払ってオーバーホールまでできたので!
僕の周りにもテープ仲間が欲しい...
いつかはStuder欲しいですね。
仕事頑張ります。
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