アナログミキサーを入れてよかったお話
- Altair Studio
- 2022年5月6日
- 読了時間: 4分
もともと僕も「現代のミックスなんだからプラグインだけでいけるでしょ」って平気で思っていたタイプでした。
が、それはもちろん録りの時点でしっかりアウトボード(いいアウトボードね)を通っているからなわけで。
まあそんなこと至る所で言われている話なのでそんな深掘りはしませんが。
かなりアンプシミュが発達しているギターと違って、ドラムやベースが音源(特にドラム)の現代において、サミングという概念は正直とても大事だなと再確認しました。
もちろんギターもアンプで録りたいけどね...録れない環境のギタリストが多いので、そこは仕方ない。
日本が狭いのがいけない。
脱線したので話を戻します。
サミングとさっきは言いましたが、実際には僕は卓をサミング用途で使ってはいません。
「数行前と言ってること違くね?」と思われるかもしれませんが、
他に使えそうな言葉がなかったのでサミングという単語を使った感じです。
僕は一般的にプラグインサチュレーションと呼ばれているものは
原音に歪みや倍音を「ただ載っけている」
感覚に近いものだと思っています。
パンにチーズ載っけてるだけみたいな。
あくまで個人の意見ですが。
でもアナログアウトボードは
原音自体を「歪ませている」
感覚なんですよね。
力で捻じ曲げてる。
うまく言えないですが、
地毛が黒の人が金髪に染める...のがプラグインサチュレーターで
地毛が黒だったはずの人が金髪に色素から変わってる...みたいな
あくまで感覚の話です。実際そうなってるわけじゃないです。魔法なんてこの世にはないので。
さっきまでサチュレーションの話してましたが本題はここからで、
サチュレーションはあくまで付加価値程度のメリットで考えています。
実際にものすごい恩恵だと感じたのは「EQ」です
全トラック(実際に全トラックかけるわけではないですが)にアナログEQを素早くかけられるのは、信じられないほどの恩恵でした。
4〜5トラック程度の少ないトラックにちまちまEQやコンプを通してはコミットしていたのが馬鹿らしくなりました。(ボーカルは別)
うちには24chのORAM卓があるので、各パートごとに卓を通せばほぼ全トラックに簡単に通せるようになっています。
録りの時に使用しているわけではないので厳密には違いますが、しっかり使いこなせればまあよく聞くメジャーサウンドっぽくなります。
(この言い方は嫌いですが、語彙力が乏しい僕は結局このメジャーサウンドとかいう短絡的で便利な言葉に頼ってしまいました...)
プラグインEQってすごく良いんですけど、ほんの少し...ほんの少しダイナミクスまで失われている感覚に陥ることがあって、それをずっと消化できずにいたんですが、
セッションを卓だけでミックスし直した時に完全にその感覚を克服できたんですよね。
音楽的なダイナミクス(いや、リズムと言った方が正しいかも)を損なわずにしっかりイコライジングできる..というのが卓でEQするメリットなのかも。
自分で書いててよくわからなくなってきたけど。
よく言われますが、音は決まりやすいし、プラグインだと普通のEQかけた後にダイナミックEQもかけてコンプも...なんてことがあるようなトラックでも、
卓のEQだけかけてコンプもいらないかな...ってこと結構あります。
デメリットがあるとすれば、リコールほぼ無理(やろうと思えばできるけど、決めてコミットした方が楽)、メンテしないとガリが出る可能性、ステレオトラックに通す際はテストトーンで2トラックを細かく合わせないといけない(これがめっちゃ面倒。やらないことの方が多いけど、気になった時はやってる)...あと単純に卓自体が高額...ですかね。
あと16ch以上のインターフェース持ってないとほぼ意味ないです。
最後にフェーダー。
これがまたすごく良いです。
卓のフェーダーを上げるたび、DAWのフェーダーでは味わえない「グッと前に押し出てくる感覚」がします。
慣れちゃえばその感覚も普段は忘れがちですけど。
でも磁気フェーダーってやっぱり良いものです。使わないとわからないので説明がしにくい。すみません笑
オープンリールの感覚に近いかも。(磁気だからかも)
ORAMはEQが有名ってこともあって、EQがすごく良いんですよ。
本国には僕が作った日本語訳したマニュアルを送ってあるけど、ORAM買った同志がこの先現れたらその人には共有したいな。
長くなりましたが、読んで頂いてありがとうございました!
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